2016年2月12日金曜日

十字架を偲ぶとき



教会の暦は「四旬節」に入りました。
この期間は、主イエス・キリストのご受難を覚えるときとなります。
福音書に記された十字架に至るまでの話を読み、そのご苦悩を偲ぶことも意義深いことでしょう。
罪なき神の子が、どうして犯罪人として扱われ、十字架で処刑されなければならなかったのか、その意味を見つけるのです。
 
それだけではありません。
人はそれぞれ自分の十字架を背負って生きていると言われます。
その十字架とは、放り出すことの出来ないものと言えるものです。
病気があり、障がいがある。また、いつかはだれもが衰えて行くものです。
突然の災難や災害に襲われて、体にも心にも重い傷を負うこともあることでしょう。
東日本大震災や原子力発電所事故はそれを見せつけたものでした。
 
イエス・キリストの十字架とは、ご自身の苦しみを背負われただけでなく、今を生きている私たちすべての人の苦悩や重荷という十字架をも背負ってくださっているに違いありません。

十字架を偲び、黙想する時を持ちましょう。
日々の喧騒から逃れ、教会の礼拝堂に身を置き、ご一緒に恵み多き四旬節を過ごして行きましょう。
どちらの教会でもお出かけください。

日本福音ルーテル教会
総会議長 立山忠浩